平成28年度 金沢病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

 当院はDPC対象病院となっています。DPCでは入院について「最も医療資源を投入した傷病名」に対して18の疾患系、さらにそれぞれの疾患系に重症度、年齢、手術・処置等の有無、定義副傷病名などにより細かく「診断群分類」を設けています。2016年4月時点で診断群は4244に分類(2003年4月のDPC制度発足当初は1860)されています。

 以前の「出来高払い方式」では『病名や診療内容に応じてどのくらいの医療費がかかるのかの目安がわからない』、『同じ病気でも他の病院と比べて入院日数に大きな差が生じる原因や医療の質の違いがわからない』、『入院診療に関するデータの互換性がないので、他の病院との比較が出来ない』という状況でした。

 DPC制度(方式)の基では、一入院中に複数の傷病に対して治療を行った場合でも、その入院中を通して人的・物的に医療資源を最も投入した傷病名に基づき診断群分類を1つだけ主治医が選ぶことになります(一入院に係る診断群分類の決定)。それぞれの診断群分類には「1日当たりの定額点数(包括点数)」が定められています。手術や一部の検査、処置などは包括点数に含まれませんが、DPCの導入により医療費の大まかな目安が立てられるようになりました。また、DPC対象病院には入院診療に係ったカルテ、レセプト情報のデータを定められた形式(DPCデータ)で厚生労働省に提出する義務が課せられています。統一されたデータ形式により、自院と他の病院との入院日数や医療の質の違いが比較できるようになりました。

 集計はこのDPCデータを使用し、DPC調査事務局の定める集計条件に従って行われています。

使用データ種別は
 様式1(診療録情報:主病名、入院の目的、手術術式など)※7)その他(~)を除き、一連となる複数入退院は1カウントとする。
 様式4(医科保険診療以外のある症例調査票)
 Dフィアル(診断群分類点数表により算定した患者に係る診療報酬請求情報)
 の3種類となっています。
 集計の各項目で10件に満たない場合には" - (ハイフン) "で表示しております。

1.年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 24 34 51 127 295 498 975 1023 947 335

◆集計方法:

  • 入院時の年齢で10歳刻み(90歳以上は一括り)で集計を行いました。
  • 使用したデータは様式1、様式4です。様式1よりDPC調査対象となる病棟への入院(一連となる複数回の入院は1回としてカウント)であり、様式4で「医科レセプトのみの場合、市販後調査、保険優先公費と医科レセプトの併用、歯科レセプトのみ、医科レセプトと歯科レセプトの併用」のいずれかに該当することを条件としています。

◆特徴:

  • 当院では60歳以上が全体の76.1%、80歳以上は29.8%と比較的高齢の患者さんが多くを占めています。

2.診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx99xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 229 1.05 5.97 0.00 58.14  
050130xx99000x 心不全 68 22.00 17.95 0.06 83.28  
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎(手術なし) 60 23.33 21.25 0.12 86.57  
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍(肺癌の疑いによる検査入院) 59 3.17 3.68 0.02 66.70  
110310xx99xx0x 尿路感染症、急性腎盂腎炎 57 13.58 27.40 0.04 76.79  

◆解説:
[小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)]
 内科では、1年間で約800件の全大腸内視鏡検査を行っています。便潜血検査等で陽性反応があり、大腸等の消化管にポリープ等の腫瘍が疑われる場合に全大腸内視鏡検査を行うものです。上記は、検査においてポリープ等の切除(手術)適応が認められず、検査のみ(生検を含みます)の入院となった件数となります。※ポリープ切除術については6)診療科別主要手術別患者数等の項に記載。

[心不全]
 心不全は心臓のポンプ昨日が低下し、血液を全身に行き渡らせることができなくなる疾患です。心不全による91件の入院の内、うっ血性心不全が最も多く60件となっています。うっ血性心不全では、心臓のポンプ機能が低下し、肺や末梢での血液のうっ滞が生じ呼吸困難、起坐呼吸、肝腫大、浮腫、乏尿など様々な症状が現れます。

[誤嚥性肺炎(手術なし)]
 誤嚥性肺炎は口腔内の細菌や嘔吐時の胃液などを気道内に吸入することにより生じる肺炎です。高齢者に多く、当院では60歳~64歳は2人で、残る88人は65歳以上でした(70代10人、80代39人、90歳以上34人)。また、誤嚥を防ぐ目的で胃瘻(栄養チューブを胃の内腔に留置する)を設ける場合もあり、上記件数とは別に9件の施術が行われました。日本での誤嚥性肺炎を含む肺炎による死亡は、死因別死亡率で第4位となっています。肺炎による死亡者数のうち約96%を65歳以上の高齢者が占め、肺炎による死亡の大多数が高齢者であることが示されています。

[肺の悪性腫瘍(肺癌の疑いによる検査入院)]
 肺癌は日本での罹患者は11万人超で第3位(2013年データ/国立がん研究センターまとめ)、死亡者は7万人を超え第1位(2015年データ/国立がん研究センターまとめ)となっており悪性腫瘍の中で重要な疾患といえます。当院では肺癌、または肺癌が疑われる患者様が集計対象期間内で96人入院されました。診断のためには先ず、喀痰細胞診と胸部単純X線写真、CT検査等を行います。これらの検査で肺癌の疑いが強まった場合、気管支内視鏡(鼻また口から気管内へ挿入し、気道内の観察や肺生検、気管支内擦過や気管支肺胞洗浄などの検査を行う機器)を用いる短期(ほとんどが一泊二日)の検査入院(結果説明は外来)を行っています。

[尿路感染症、急性腎盂腎炎]
 尿路感染症(急性腎盂腎炎)は通常は尿路(腎・尿管・膀胱・尿道)に発生する細菌感染症です。年齢、性別(尿道の長さの男女差)により発症件数の偏りがあり、他科も含め75件の入院件数のうち、10代~50代が10件、60代~70代が19件、80歳以上が46件、男性が19件、女性が56件となっています。

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) - - 5.79 - -  
100380xxxxxxxx 体液量減少症 - - 9.33 - -  
150020xxxxx0xx 細菌性腸炎 - - 7.24 - -  
040100xxxxx00x 喘息 - - 6.42 - -  
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) - - 6.02 - -  

◆解説:
※患者数が「 - (ハイフン)」で表示されている項目は、集計対象期間内の退院件数が10に満たないため割愛させていただいております。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060330xx02xxxx 多発胆石症、胆のう結石症 46 6.72 16.40 0.00 55.37  
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 23 8.00 45.87 0.00 65.91  
060020xx99x40x 胃の悪性腫瘍 16 10.81 77.20 0.00 68.19  
060035xx99x00x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 15 2.00 7.20 0.00 70.87  
060100xx99xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 14 1.00 5.97 0.00 65.50  

◆解説:
[多発胆石症、胆のう結石症]
 外科1位の多発胆石症、胆のう結石症と同2位の胆のう炎(胆のう炎の原因は90%以上が胆嚢結石と言われています)は全科合計で90件。上記件数はそれぞれ当科にて腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った患者数となります。腹腔鏡下胆嚢摘出術は、腹腔鏡による画面を見ながら腹壁を貫通させたトロッカーを通して鉗子類を腹腔内に挿入して手術操作を行う手術です。開腹手術と比べ、腹壁をほとんど損傷せずに行われるため術後の疼痛が軽く、入院期間や回復期間も短縮出来るメリットがあります。

[胆嚢水腫、胆嚢炎等] 「多発胆石症、胆のう結石症」をご参照願います。

[胃の悪性腫瘍]
 胃癌は日本では大腸癌に次いで罹患数が多く男性では9万人超で1位、女性では4万人超で3位となっています。年間死亡数は肺癌と大腸癌に次いで3番目に多いく、男性では3万人超で2位、女性では1万5千人超で3位。当院での胃癌に関わる集計対象期間内の退院数は、1年間で68件。治療方法は手術、化学療法挙げられます。化学療法には、術後再発抑制を目的とした補助化学療法(術前補助化学療法や術後補助化学療法)とステージⅣあるいは再発の切除不能な進行症例を対象とした全身化学療法があり、使用される薬剤(抗癌剤など)は様々です。※DPCコードについて、化学療法を行う場合では使用する薬剤の種類により複数分かれ、上記件数はパクリタキセルやドセタキセル水和物と言われる薬剤を用いた場合の件数となります。化学療法が行われた件数は全体で27件でした。

[結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍]
 結腸とは盲腸と直腸の間の腸管(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)のことをいい、大腸の大部分を占めています。罹患率は胃癌に次いで2位で、男性が4万6千人超で1位、女性が4万人超で2位となっています。死亡率は2位で、男性が1万7千人超で3位、女性が1万7千人超で2位となっています。早期大腸癌はほとんど症状がなく、早期発見のためには無症状のうちに大腸内視鏡検査を行う必要があります。当院での結腸癌に関わる集計対象期間内の退院数は全診療科で61件。うち術後の検査目的や癌の疑いによる検査目的の入院は25件。癌の治療目的での入院は36件。化学療法の実施は17件。手術は36件(直接的に結腸に関わらない手術も含む)でした。

[小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)]
 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)について、内科の同名称をご参照願います。

 ※罹患率は2013年データ、死亡率は2015年データを国立がん研究センターまとめたものです。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160690xx99xx0x 胸椎・腰椎圧迫骨折 [胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)] 24 24.67 35.65 0.04 79.79  
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 24 26.96 10.68 0.50 85.58  
160980xx99x0xx 骨盤損傷 - - 20.45 - -  
160760xx97xx0x 前腕の骨折 - - 5.49 - -  
070343xx99x20x 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 - - 6.92 - -  

◆解説:
[胸椎・腰椎圧迫骨折]
 圧迫骨折とは、骨に圧迫方向の衝撃が加って生じる骨折のことをいいます。 全体で29件の入院があり、胸椎では12件、腰椎では16件、前回の手術で挿入したプレートなどを取り除く手術目的の入院が1件でした。骨粗鬆症(骨の脆弱性が増大して骨折の危険性が高まった状態)が基板としているケースも多く、平行してテリパラチドというホルモン剤を使用しての治療を行うこともあります。上記は手術を行っていない保存療法となっています。別に手術(経皮的椎体形成術、脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術など)を行ったケースは5件ありました。

[股関節大腿近位骨折]
 内訳として最も多いのは大腿骨転子部骨折で13件。治療は保存的治療の場合には長期間のベッド上の安静となるため、手術治療が選択されることが多い。当院で集計対象期間内、同症例で行われた手術は骨折観血的手術(骨折部を手術的に開いて、直接整復と内固定を行う方法)が最も多く、次いで人工骨頭挿入術(折れた骨頭を取り出し、人工の骨頭と入れ替える方法)でした。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中の発症時期が3日以内 かつ入院時JCS10未満) 24 19.67 45.25 0.08 72.54  
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 - - 11.83 - -  
010200xx01x00x 水頭症 - - 20.91 - -  
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 - - 6.38 - -  
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) - - 19.35 - -  

◆解説:
[脳梗塞]
 脳梗塞は全診療科で86件。脳卒中は代表的な国民病であり死亡率、発症率は単一臓器疾患として最も高い疾患です。中でも脳梗塞は5~6割と最も多く、脳出血は3割、くも膜下出血が1~2割となっています。さらに脳梗塞の中ではラクナ梗塞が5~6割、アテローム血栓性脳梗塞が3割、脳塞栓症1~2割となっていますが、近年、アテローム血栓性脳梗塞が増加していると言われています。脳梗塞に対する治療、処置として血圧管理、脳浮腫管理、血栓溶解療法、抗凝固療法、抗血小板療法、脳保護療法などが行われます。上記は脳保護療法としてエダラボン(脳保護薬。エダラボンは発症後24時間以内の脳梗塞例に使用が認可されている)という薬剤を使用した件数となっています。また、脳梗塞では早期からのリハビリテーションが肝要とされており、当院では脳保護療法に加え脳血管リハビリテーションも早期に行うよう努めています。

 ※患者数が「 - (ハイフン)」で表示されている項目は、集計対象期間内の退院件数が10に満たないため割愛させていただいております。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 2 2.00 3.36 0.00 41.00  
               
               
               
               

◆解説:
 ※患者数が「 - (ハイフン)」で表示されている項目は、集計対象期間内の退院件数が10に満たないため割愛させていただいております。

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080011xx99xxxx 急性膿皮症 12 9.08 31.22 0.00 76.50  
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 - - 8.96 - -  
080190xxxxxxxx 脱毛症 - - 3.72 - -  
100100xx99x0xx 糖尿病足病変 - - 23.37 - -  
160660xxxx0xxx 皮下軟部損傷・挫滅損傷、開放創 - - 10.41 - -  

◆解説:
[急性膿皮症]
 膿皮症とは細菌感染を伴う皮膚炎症性疾患の総称です。急性膿皮症は膿痂疹(とびひ)、毛包炎(毛包浅層の感染症)、せつ・癰(毛包深層の感染症)、化膿性汗孔周囲炎(汗腺主体の感染症、あせものより)、爪囲炎・瘭疽(爪囲の感染症)、丹毒(化膿性レンサ球菌による真皮深層の感染症)、蜂窩織炎・蜂巣炎(脂肪織での感染症)に分類されます。患部局所の洗浄と抗菌薬が主な治療法となります。

 ※患者数が「 - (ハイフン)」で表示されている項目は、集計対象期間内の退院件数が10に満たないため割愛させていただいております。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍(膀胱悪性腫瘍手術あり、化学療法なし) 62 8.92 7.44 0.02 74.24  
11012xxx040x0x 上部尿路疾患 28 2.36 2.82 0.00 63.04  
110070xx99x20x 膀胱腫瘍(化学療法あり) 22 13.77 50.77 0.00 74.18  
110420xx97xx0x 水腎症(その他) 20 3.80 11.45 0.15 83.50  
110200xx04xxxx 前立腺肥大症 19 8.21 15.36 0.00 72.11  

◆解説:
[膀胱腫瘍(膀胱悪性腫瘍手術あり、化学療法なし)]
 膀胱腫瘍のほとんどは膀胱癌(尿路上皮癌、扁平上皮癌、腺癌)と言われており、膀胱粘膜から発生します。多発や再発が特徴的で上部尿路上皮癌と合併することも多い疾患です。当院の集計対象期間内データは99件。そのうち65件で手術(膀胱悪性腫瘍手術)を実施。化学療法は5件行われています。上記は手術を実施し、化学療法は行われなかった件数です。

[上部尿路疾患]
 全診療科で56件の疾患です。尿路結石が最も多く、尿管結石症が37件、次いで腎結石症が13件。そのほか腎出血、単純性腎のう胞、尿管結石性閉塞を伴う水腎症となっています。尿路結石は尿中に結晶が析出して成長・凝集・固化することで形成される疾患です。結石による尿路閉塞は腎機能障害,尿路敗血症の基礎疾患になるなど生命予後に関わることも少なくありません。症状は腰背部・側腹部の激痛(悪心・嘔吐、冷汗、腹部膨満などを伴うことも多い)特徴として挙げられます。治療として、先ず非ステロイド性消炎鎮痛薬を使用し疼痛緩和を図ります。長径10mm未満の尿管結石は自然排石が期待出来ますが、それ以上の大きさや1か月以上自然排石されない結石には積極的治療(手術)を行うこととなります。上記は結石に対して体外衝撃波石破砕術(ESWL/砕石装置により結石を砕き、細かくなった結石を尿流により自然排石させる砕石術)という手術を行った件数となります。

[膀胱腫瘍(化学療法あり)]
 同科1位の「膀胱腫瘍(膀胱悪性腫瘍手術あり、化学療法なし)」をご参照願います。

[水腎症(その他)]
 全診療科で22件あり、水腎症が16件、尿管狭窄が6件となっています。水腎症とは、腎で生成された尿が尿路の狭窄や閉塞により通過障害をきたし、腎臓に対して圧力が加わることで発生する状態を指します。この状態を脱するためには経尿道的尿管ステント留置術(尿路の狭窄や閉塞部位にバルーンカテーテル等の管を留置し拡張する)や経皮的腎・腎盂瘻造設術(側腹部から腎臓内に通る孔を空け、腎内の尿を体外に導く管を設置する)を行い、腎臓内に溜まった尿を排出し、圧力の軽減を図ります。上記はその手術が行われた件数です。

[前立腺肥大症]
 前立腺肥大症は、前立腺腫が増大し尿流の妨げとなることで排尿が困難になるほか、頻尿、尿意切迫感、夜間頻尿などの刺激症状が現れる(夜間頻尿は夜間多尿や不眠、心不全などの種々の要因によって起こることもある)男性特有の疾患です。薬物治療の効果が不十分であったり、中等症から重症の症状、尿閉・尿路感染症・血尿・膀胱結石などの合併症がある場合には手術の適用となり、当院では集計対象期間内に経尿道的前立腺手術(内視鏡で画像を確認しながら電気メスを使用して前立腺組織を小切片として切り出す)、経尿道的レーザー前立腺切除術(膀胱または尿道鏡で患部を画像確認しながらレーザーで前立腺組織を蒸散する)が計20件行われました。

3.初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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  初発 再発 病期分類基準(※) 版数
Stage Ⅰ Stage Ⅱ Stage Ⅲ Stage Ⅳ 不明
胃癌 18 - 15 12 - 19 1 7
大腸癌 - - 17 - 10 31 1 7
乳癌 - - - - - 10 1 7
肺癌 - - - 15 - 27 1 7
肝癌 - - - - - 10 1 7

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

◆集計方法:

  • 上記表にある5大癌について、初発の患者さんは「UICC TNM分類」から示される病期分類による患者数を、再発の患者さん(再発部位によらない)は期間内の患者数として集計を行いました。
  • 患者数は延患者数です(例えば、一連の治療期間に入退院を繰り返すなどの複数の入退院の場合は、同一の患者さんに入退院を繰り返した回数分をかけ、延患者数とします)。
  • 使用したデータは様式1、様式4です。様式1のデータに対して、様式4で「医科レセプトのみの場合、市販後調査、保険優先公費と医科レセプトの併用、歯科レセプトのみ、医科レセプトと歯科レセプトの併用」のいずれかに該当することを条件としています。
  • 様式1の項目「がん患者/初発・再発」が初発であり、尚且つ医療資源を最も投入した傷病名が上記表のそれぞれの癌に対応している場合に、様式1の「がん患者/UICC TNM」情報をDPC調査事務局で用意した「UICC TNM分類」に合わせています。

◆解説:

  • UICC TNT分類では、「T:原発腫瘍の広がり N:所属リンパ節転移の有無と広がり M:遠隔転移の有無」より病期をⅠ~IV期にステージを分けます。「初発」は当院で診断、または初期治療を開始した場合をいい、「再発」は初回治療が完了した後、当院で診療を行った場合です。一連の治療期間中であっても、遠隔転移などを認めた場合には「再発」としています。

4.成人市中肺炎の重症度別患者数等

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  患者数 平均在院日数 平均年齢
軽症 25 12.36 59.12
中等症 127 19.19 81.01
重症 37 26.78 81.51
超重症 24 23.96 81.08
不明 0 0.00 0.00

◆集計方法:

  • 成人(入院時に20歳以上)の市中肺炎(病院や介護施設外など、普段の社会生活の中でかかった肺炎)について集計しました。
  • 使用したデータは様式1、様式4です。様式1のデータに対して、様式4で「医科レセプトのみの場合、市販後調査、保険優先公費と医科レセプトの併用、歯科レセプトのみ、医科レセプトと歯科レセプトの併用」のいずれかに該当することを条件としています。
  • 入院の契機となった傷病名、および医療資源を最も投入した傷病名が肺炎(ICD-10ではJ13~J18$に対応)に限定。
  • 重症度分類は、A-DROPスコアを用い、軽症~超重症の4段階で表記。重症度分類の各因子のうち一つでも不明であれば「不明」へ分類しています。

◆解説:

  • 成人(入院時に20歳以上)の市中肺炎(病院や介護施設外など、普段の社会生活の中でかかった肺炎)について集計しました。重症度の分類は日本呼吸器学会「呼吸器感染症に関するガイドライン」に準拠しています。  軽症では平均年齢が50代と若く平均在院日数(入院期間)も2週間程度となっていますが、中等症以上になると平均年齢、平均在院日数共に大幅に上昇しています。当院では慢性的な呼吸器疾患が基礎疾患としてある場合(特に高齢者)が多く、治療は病態に応じた呼吸管理、薬剤の投与を行っています。

5.脳梗塞のICD10別患者数等

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ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均
在院日数
平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 20 8.20 75.00 0.00
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 90 31.58 76.06 0.28
その他 11 37.00 80.27 0.18
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -

◆集計方法:

  • 脳梗塞のICD-10(病型)別、発症時期(発症3日目以内か否か)別に対象期間内の退院患者数を集計しました。
  • 使用したデータは様式1、様式4です。様式1のデータに対して、様式4で「医科レセプトのみの場合、市販後調査、保険優先公費と医科レセプトの併用、歯科レセプトのみ、医科レセプトと歯科レセプトの併用」のいずれかに該当することを条件としています。
  • 医療資源を最も投入した傷病名が上記表の「ICD10」の項目に(「$」は1~9の意)し、発症から「3日以内」と「その他」に分けて10件に満たない場合は合算して表記することとなっています。

◆解説:

  • 急性期の脳梗塞では、臨床病型に応じた治療、全身管理、早期からのリハビリテーションが肝要とされています。当院では、対象病型の症例数は130件あり、そのうち発症3日以内の急性期脳梗塞の件数が全体の85%強を占めています。
    ※脳梗塞については、「2)診断群分類別患者数等」の「脳神経外科」の欄をご参照願います。

6.診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ切除術(長径2cm未満) 356 0.31 1.26 0.00 61.29  
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 29 7.38 19.03 0.10 78.55  
K6181 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(四肢) 25 25.24 36.68 0.60 83.40  
K616-4 経皮的シャント拡張術 25 3.80 3.60 0.12 67.00  
K664 経皮的内視鏡下胃瘻造設術 23 30.43 62.00 0.48 80.74  

◆解説:

[内視鏡的大腸ポリープ切除術(長径2cm未満)(当科実施率49%)]
 当院では、1年間で約800件の全大腸内視鏡検査を行っています。検査中にポリープが認められ、対象となる一定の大きさ以上の場合には切除を行っています(この場合、一泊二日ほどの短期入院。病理検査後、後日結果説明)。

[内視鏡的胆道ステント留置術(当科実施率4%)]
 胆道閉塞の解消法として、内視鏡で患部を確認しながらステントと呼ばれる筒で閉塞部位を広げます。閉塞性黄疸の軽減を図る目的で行われるケースが多く、患者さんの負担が少なく再閉塞率の低い術式です。

[中心静脈注射用植込型カテーテル設置(四肢)(当科実施率3%)]
 人体に必要なすべての栄養素を含む輸液剤を末梢静脈を避けて大静脈に留置したカテーテルを通じて投与する(中心静脈栄養法)ため、ポート(針を指す場所)を皮下に埋め込む手術です。感染の危険が少ないとされています。

[経皮的シャント拡張術(当科実施率3%)]
 血液透析を行うためには動脈と静脈をつなぎ合わせて静脈に多くの血液が流れるようにします(内シャント)。このシャント部で狭窄や閉塞を起こすと透析が困難となります。同術ではバルーンカテーテル等を使用して狭窄や閉塞を起こした部位を拡張して血流を回復します。

[経皮的内視鏡下胃瘻造設術(当科実施率3%)]
 経口摂取が不十分であったり誤嚥性肺炎の危険がある患者さんに、腹壁から直接胃の中へ栄養を供給するルートを設ける手術です。以前は開腹手術が主流でしたが、最近では内視鏡を使った手術が主流となっており、患者さんの負担軽減につながっています。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 101 1.47 3.64 0.00 63.59  
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 71 1.66 4.79 0.00 59.55  
K7211 内視鏡的大腸ポリープ切除術(長径2cm未満) 25 0.16 9.84 0.00 66.20  
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 14 6.00 16.36 0.00 67.21  
K655-22 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍) 11 3.09 17.27 0.00 73.91  

◆解説:

  • 当院では、腹腔鏡や内視鏡を使用した手術が多く、術後疼痛の緩和や術後回復の期間短縮を図り、患者さんの負担軽減につなげています。

[腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)(当科実施率30%)]
 鼠径部のヘルニア(臓器や組織が脱出している状態)を腹腔鏡で腹内部を観察しながら修復する手術です。

[腹腔鏡下胆嚢摘出術(当科実施率21%)]
 胆のう炎、胆のう結石症、胆のうポリープ、胆のう腺筋腫症、胆のう良性腫瘍など。

[内視鏡的大腸ポリープ切除術(長径2cm未満)(当科実施率7%)]
 当科での全大腸内視鏡検査は69件あり、そのうち大腸(結腸)の腫瘍切除術を過去に受けた患者さんに対する術後の経過を確認する目的の検査は34件でした。

[腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術(当科実施率4%)]
 結腸癌(盲腸~直腸上部)に対する手術です。開腹手術と比べて出血量が少なく、腸管の開腹も早く、術後の主な合併症である癒着が少ないなどのメリットがあります。

[腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍)(当科実施率3%)]
 胃の悪性腫瘍(胃癌、胃悪性リンパ腫、その他の胃悪性腫瘍)に対する手術でうす。開腹に比べ、郭清可能な範囲が限られるため、主に術前に早期胃癌と診断された場合の適用となります。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 30 2.67 33.13 0.33 82.23  
K0462 骨折観血的手術(下腿) 10 1.50 18.10 0.00 67.30  
K0811 人工骨頭挿入術(股) - - - - -  
K0483 骨内異物(挿入物)除去術(前腕) - - - - -  
K0821 人工関節置換術(膝) - - - - -  

◆解説:
 当科では集計対象期間内に116件の手術(同一入院期間に複数実施されている場合は、主な手術1つのみ集計)が行われ、実施割合は以下の通りとなっています。
[骨折観血的手術(大腿)(当科実施率26%)] [骨折観血的手術(下腿)(当科実施率9%)] この2つの手術を行った患者さんでは、平均年齢が78.5歳と高齢者に多く、性別では男性の2倍近くを女性が占めています。

 以下は期間内の件数が10件に達せず、件数表記は"-"としています。 [人工骨頭挿入術(股)] [骨内異物(挿入物)除去術(前腕)] [人工関節置換術(膝)]

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 14 5.79 38.07 0.14 85.57  
K1742 水頭症手術(シャント手術) 11 7.18 17.82 0.09 78.45  
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭・脳内) - - - - -  
K6092 動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈) - - - - -  
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) - - - - -  

◆解説:
[慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術(当科実施率22%)]
 慢性硬膜下血腫は頭部外傷後3週間から数か月後にゆっくりと硬膜下腔に貯留する血腫です。この血腫により脳が圧迫されて頭痛や運動麻痺、認知障害などが発生することが多いとされています。同術は血腫を取り除き、洗浄し、症状の改善を図ります。

[水頭症手術(シャント手術)(当科実施率17%)]
 水頭症は脳脊髄液の循環・吸収の異常や、脈絡叢乳頭腫による脳脊髄液産生過剰により頭蓋内圧が上昇することで起こる種々の病態の総称です。髄液は脳室内で生産され「側脳室→第3脳室→中脳水道→第4脳室→くも膜下腔→くも膜顆粒→静脈洞→血管へ戻る」と循環します。この一連の流れのどこかに障害があると髄液が滞り水頭症が発症します。同術は、頭蓋内圧を上昇させる余分な髄液をシャントチューブを通して脳室から他の体腔(腹腔、心房)または腰椎から腹腔へ流し、頭蓋内圧の上昇を抑えるものです。

 以下は期間内の件数が10件に達せず、件数表記は"-"としています。 [頭蓋内血腫除去術(開頭・脳内)] [動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈)] [頭蓋内腫瘍摘出術(その他)]

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合・その他のもの) 145 0.00 1.12 0.00 74.47  
K2423 前転法及び後転法の併施 - - - - -  
               
               
               

◆解説:
 [水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合・その他のもの)] 水晶体の混濁で視力が低下した場合に、混濁した水晶体と人工レンズを入れ替える手術です。ほとんどが短期入院(一泊二日程度)となっています。

 以下は期間内の件数が10件に達せず、件数表記は"-"としています。 [斜視手術(前転法及び後転法の併施)]

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 77 0.09 1.26 0.00 60.47  
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術・その他のもの) 61 1.52 5.82 0.00 74.13  
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 28 2.14 4.79 0.14 85.07  
K841-22 経尿道的レーザー前立腺切除術(その他のもの) 18 2.56 5.00 0.00 72.06  
K8412 経尿道的前立腺手術(その他のもの) 11 9.36 8.73 0.09 73.27  

◆解説:
[体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき)(当科実施率28%)]
 尿路結石に対して、強力な衝撃波を体外で発生させる装置を使い結石を砕き、細かくなった結石を尿流により自然排石させる砕石術です。

[膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術・その他のもの)(当科実施率22%)]
 早期に内視鏡で発見された膀胱癌(浸潤性でないもの)に対して、内視鏡的に経尿道的切除術を行います。

[経尿道的尿管ステント留置術(当科実施率10%)]
 尿管狭窄や尿管の内視鏡的手術後などに、良好な尿流を保つために行われます。尿道を通してバルーンで拡張したり、尿管内から切開後太めのカテーテルを留置しその周りに太い尿管が再生するのを待つこともあります。

[経尿道的レーザー前立腺切除術(その他のもの)(当科実施率7%)]
 前立腺の肥大により、尿流が妨げられることで排尿が困難な場合に行う手術です。膀胱または尿道鏡で患部を画像確認しながらレーザーで前立腺組織を蒸散し尿の通り道を広げます。経尿道的前立腺手術はレーザーではなく電気メスをしようして前立腺組織を小切片として切り出す手術です。

[経尿道的前立腺手術(その他のもの)(当科実施率4%)]
 上記をご参照願います。

7.その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

[ファイルをダウンロード]

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 26 0.60
異なる 16 0.37
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 13 0.30
異なる - -

◆集計方法:

  • DPCコード(診断群分類コード14桁)より上6桁が上記表内の「DPC」項(DPCコードのうち主要診断群(MDC。上2桁)と分類コード(上3桁~上6桁)の組み合わせ)と一致する2016年度に当院で退院された患者数を集計しました。
  • 使用したデータは様式1、様式4です。この集計に限り様式1のデータは1回の入退院を1カウントとし、様式4で「医科レセプトのみの場合、市販後調査、保険優先公費と医科レセプトの併用、歯科レセプトのみ、医科レセプトと歯科レセプトの併用」のいずれかに該当することを条件としています。
  • 入院の契機となった傷病名と医療資源を最も投入した傷病名、それぞれに対するICD-10コードが一致している場合は「同一」の項へ、一致しない場合は「異なる」項へ分けられています。

◆解説:
[播種性血管内凝固症候群(DIC)]
集計対象期間内の退院が10件に満たなかったため、"-"表示とし、割愛いたします。

[敗血症]
 感染症(肺炎、腎盂腎炎など)を起こしている部位から血液中に病原体が入り、全身性の炎症反応を起こした結果、循環動態および多臓器の障害をきたし致死的な急性臓器不全を併発する一連の病態です。基礎疾患として悪性腫瘍、血液疾患、糖尿病、肝疾患、腎疾患、膠原病などが挙げられ、基礎疾患の治療に伴う白血球数の低下や感染への防御機能が低下している人や高齢者、手術後などの状態にある人に多いとされています。治療は原因となった感染症の治療に加え、併発する臓器不全などへの対処となります。

[その他の真菌感染症]
 集計対象期間内の退院が10件に満たなかったため、"-"表示とし、割愛いたします。

[手術・処置等の合併症]
 透析療法の合併症である「透析用シャントの狭窄、または閉塞」が最も多く。次いで手術の吻合部(腸管)の狭窄。ほか静脈注射用カテーテルの感染症、術後の創部感染症、術後の出血があり、うち8件で状態を改善する手術が行われました。手術を受け集計対象期間内に退院したケースは1619件あり、そのうち合併症によるものは0.8%、合併症を改善する手術の実施はは0.49%でした。

更新履歴

2017/09/26
「平成28年度 金沢病院 病院指標」を公開しました。

2017/09/27
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)、脳梗塞のICD10別患者数等以外について一部修正しました。